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Change the world【ツイステ】

第3章 気分屋フィクル!【フロイド】




フロイドの頬が、赤く染まる。

元から白いフロイドの肌は興奮するとよくよく赤く染まるけれど、今彼の頬を染めているのは喜色である。

「それ、ほんと? 嘘だったら、ぜってーに許さねぇんだけど。」

「許さなくていいよ、本当だから。」

パッと花が咲いたように笑ったフロイドは、けれども少し考えて頬を膨らませた。

「や、嘘だ! だってヒカルちゃん、ジェイドが好きなんでしょ? オレのこと、騙そうとしてる!」

痛いところを突かれた。
できれば、ジェイドに好意を寄せていた事実はそのまま忘れていてほしかったのだが。

「えっと……、初めはジェイドが好きだったのも本当なんだけど。あ、でも、ほら、好きっていうか憧れね!」

本音を白状した途端にフロイドの機嫌が地を這ったので、慌てて言い訳を付け加える。

「憧れぇ?」

「そう、憧れ。こう……、遠くから眺めていたい観賞物!」

元推しに対してひどい言い草ではあるが、ジェイドよ、すまぬ。
これも尊い犠牲なのだ。

「ほんとに? ほんとにほんと? ジェイドよりオレの方が好き?」

「うん、好き。子供を産んでもいいなって思うくらいには。」

「ぜったい? オレのこと騙そうとしてない?」

「ん……、じゃあ、アズールくんの契約書にでもサインする? フロイド以外好きになりませんって。」

半分冗談のつもりだったが、それを聞いた瞬間にフロイドの顔が満面の笑みに変わった。

ようやくヒカルの告白を信じたらしい。
彼のアズールとジェイドに対する信頼は絶大だ。

「ヒカルちゃん、好き、好き。結婚しよ!」

「そんなさらりとプロポーズを……。ていうか、心配するのはわたしの方じゃない? ウツボは一夫多妻制なんでしょ?」

人魚と魚の生態がどこまで同じかは知らないけれど、ウツボは一夫多妻制の上に通い婚だ。
パートナーをひとりに決めない生物は、自然界の中にはうようよいる。

フロイドこそ浮気をしそうだと、疑惑の目を向けた。



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