第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
誰かと比べたことはないけれど、フロイドの舌は恐らく長い。
しかし、舌一本ではどうしても花芽と蜜路を同時に可愛がれず、少しばかり残念に思いながら指を使って中を弄くる。
蜜口に指を差し込むと、狭い隘路がきゅっと締まって蠢いた。
いやらしい粘膜が吸いつくような感覚が堪らなく好きで、何度も何度も壁を擦る。
「あぁ、ふ……、ん、あ、あーーッ」
欲望に素直なヒカルはすぐに蕩けていって、髪を掴んだ指もぐしゃぐしゃと掻き回すだけで意味を成さない。
そうされていると、ヒカルの膝に頭を預け、撫でてもらった時のことを思い出す。
ひどく心地良いヒカルの膝は、フロイドだけの居場所。
誰にも渡したくないし、渡すつもりもない。
けれど、そこにヒカルの心が伴わないと知ったなら、フロイドが取るべき行動はなんだろう。
もしヒカルの良さを、可愛らしさを、優しさをジェイドが知ってしまえば、奪いにくるかもしれない。
四六時中傍に張りついて守れたらいいけれど、今のフロイドには邪魔者が多く、あまり現実的ではない。
もちろん、本当にそうなった時には、すべてを捨ててでもヒカルに張りつく気ではいるが。
いっそのこと、ヒカルも自分から離れられなくなるくらい、快楽に溺れてしまえばいい。
そう考えながら充血した尖りを強く吸い、ヒカルが一番感じる壁を指で突いた。
「ひッ、あ、あぁぁ!」
ヒカルがぶるりと痙攣したと思ったら、指を呑んだ媚肉が収縮し、透明な液体がぴゅっと吹き出す。
多量に漏れたそれはフロイドの手だけでなく顎や頬までをも濡らし、絶頂に昇りつめたことを知らせた。