第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
服という名の皮をひん剥き、滑らかな肌を曝したヒカルの全身を隈なく舐める。
腕も、脇も、首筋も鎖骨も、胸も腹も、背中も脚も。
特に、唇は重点的に舐めまくった。
キスは恋人にだけ許すものだとヒカルが言ったから、わからせてやるために何度も何度も口づけては口内を侵した。
今さら、他者に想いを寄せるなんて許さない。
それが例え双子の兄弟であっても、譲る気も、分け合う気もなく、フロイドだけが独占すべき可愛い人。
ヒカルの白い肌を舐めながら、時折甘く歯を立てた。
先ほどのキスとは違って慎重に、傷つけないよう甘噛みで。
「ん、いぁ……ッ」
内腿の際どい部分に歯痕をつけたら、ヒカルが背筋を逸らせて甲高く啼いた。
「痛かった? ごめんねぇ?」
噛みついた箇所に舌を滑らせ、ぬるぬると唾液を垂らしては、次の目的地へ向かう。
全身を舐め回したせいで敏感な秘処はすでに濡れていて、美味しそうな蜜が溢れていた。
十分潤ったそこは、少し解すだけでフロイドを受け入れてくれるだろうけれど、蜜の甘さを知ってしまっただけに無視できず、誘惑に逆らず舌を這わせた。
「あ、んぁ……、やぁ……!」
ヒカルの感じるところなら、誰よりも知っている。
異世界人である彼女には、フロイドが知らない世界があるけれど、それでもヒカルを一番に理解しているのは自分だと根拠もない自信が漲っていた。
「んね、キモチイイ?」
「ひぅ……ッ、や、しゃべら、ないで……ッ」
「ジェイドより、ぜったい、オレの方が……。」
「あ、あぁ、そこで、しゃべっちゃ、ダメ…ったらぁ……!」
腰を揺らして暴れるヒカルの両脚をしっかりと抱え、舌先で花芽を転がしてみる。
小さな突起は男性であるフロイドには想像もできないくらいに感じるらしく、悦楽に抗ったヒカルがフロイドの髪を掴んで引き離そうとした。
誰かに髪を引っ張られたらキレる自信しかないが、ヒカルにだけはそうされても子猫の戯れ程度にしか思えなず、構わずそこを責め続けた。