第1章 全話共通プロローグ!
これは天から与えられた啓示なのではないか。
原作のストーリーでは、ユウとグリムに与えられる最初の役は雑用係である。
そこから紆余曲折あって正規の生徒として認められるのだが、そこらへんの事情をすっ飛ばして生徒に迎えられたのなら、きっと神様が言っているのだ。
アナタ、雑用係、ナリナサイ。
と。
「ざ、雑用係ですか? いや、しかし、うーん……。」
「というか! ナイトレイブンカレッジは男子校ですよね? わたし、見るからに女なんですけど。」
「あ、確かに。」
ゲートを通らずにツイステッドワンダーランドへ召喚されたヒカルは、ユウと違って元の世界にいた時と同じ服装をしていた。
膨らんだ胸は隠しようもないし、がっつりスカートを穿いていて、結わいていない髪は背中に広がり、メイクだってそれなりにしている。
鏡の間では入学式が執り行われていたせいで生徒たちがそれなりにいて、今さら性別を偽って入学するのは難しい。
「あの……、それなら自分も女です。」
「えッ! あなた、女性なんですか!?」
「はい、まあ、一応女です。」
今の今までユウを男子だと思っていたクロウリーは、再び頭を抱えてしまった。
今日一日で、ありえない事象のオンパレードなのだろう。
「でもほら、ユウはボーイッシュだし、男の子にも見えますよね? 性別を隠して学園に通うのも可能なんじゃないですか?」
「まあ……、確かに。」
「え、なんか二人とも、何気にヒドイね。」
中性的な顔立ち、女性にしては平坦すぎる胸、ひょろひょろの身体。
ユウは男装女子として理想的な体型をしている。
「だからクロウリーさん、ユウとグリムは二人三脚で生徒に。わたしは雑用係として雇ってください!」
譲れない、これだけは。
ヒカルはなにがなんでも、推したちがキャッキャウフフする学園生活を遠目から観察するのだ。