第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
ばちゅん、ばちゅんと粘つく水音が繰り返し部屋に響く。
穿たれる衝撃に身を委ね、シーツを握りしめながら嬌声を上げるヒカルのすべては、快感によって支配されていた。
揺さぶられるたびにヒカルの胸がふるふる上下し、フロイドの開いた片手がそれを鷲掴む。
「あッ、あッ、はぁ……ッ」
先端をくりくり転がされ、胸を解放したのち、今度はヒカルの頭を優しく撫でる。
これらすべて、体勢を変えずにやってのけるのだから、体格差が凄まじい。
フロイドのテクニックは、本当に昨日が初めてだったのか?と疑問に思うほど上達していて、浅く深くストロークを変えてみたり、途中で腰を回してみたり、なにかと忙しい。
その一挙一動に大げさなほど反応してしまうのがヒカルで、言葉はとっくに失われ、意味をなさない啼き声しか紡げない。
そんなヒカルを揶揄うように、時折フロイドが話し掛けてくる。
「はぁ……ッ、楽しいね、ヒカルちゃん。ねえ、ずっとこうしてたくない?」
「んくッ、や…ぁ……、ひぅ……ッ」
「オレはねぇ、ずーっとこうしてたいな。ヒカルちゃんの中でぇ、ずっと気持ちよくさせたい。」
がつっと結合部にわざと腰を押しつけ、体液に塗れた茂みが密着する。
ぴったりと肌が合わさったら、長い屹立の切っ先が子宮口をノックして、押し上げられる感覚に悲鳴を上げた。
「ひあぁ……ッ」
歓喜の蜜がどっと漏れ、合わさる肌をべしょべしょに濡らす。
「ねえ、ヒカルちゃんは? オレと離れたくない? ずーっと一緒にいたい?」
「あ…く……、うぁ……ッ」
なにひとつ返事ができないヒカルの頬に、フロイドが唇を寄せる。
前屈した苦しい体勢だろうに、彼の身体は非常に柔らかく、少しも苦悶の表情を見せない。
「ねえ、ずっと一緒にいる……?」
悪魔の囁きを吐いた唇が頬に口づけを落とし、耳飾りがしゃらりと音を立てた。
ずっと一緒なんて、馬鹿らしい。
どうせ飽きるのは、そっちが先のくせに……。