第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
前回とは違って、今夜のそれは和姦である。
心の中ではどう思おうとも、避妊さえすればいいと言ってしまった手前、合意をしたと言わざるを得ない。
だからヒカルは、なるべく自発的にフロイドを迎えた。
嫌だ嫌だと拒否するのは疲れるし、どうせ結果が同じなら、苦しい思いはしたくない。
無駄な力は抜いて、押し入ってくるフロイドの軌道を腰を浮かせてサポートした。
その努力が実を結んだかどうかは定かではないが、凶悪な雄はヒカルに苦痛を与えずに無事蜜路へ埋まった。
「は、は、ふぅ……。」
圧迫感に慣れようと浅い息を繰り返し吐き、フロイドの背中に腕を回す。
なんだか恋人みたいだな、と錯覚を抱いたら、同じくヒカルの背中に腕を差し込んだフロイドがぎゅっと抱きついてきた。
「ふ、へへ。オレたち、ひとつになってるねぇ?」
「そういう恥ずかしいことを口に出さな……んッ、苦しい。」
長い腕が絡まって力がこもると、ヒカルの肺が圧迫される。
身長のせいかウツボのせいか、フロイドの腕は本当に長い。
片手でぐるりとヒカルの胸を一周できそうな腕は、簡単にヒカルの息を止めるだろう。
「あ、ごめーん。ヒカルちゃんはほんと、ちっこくて弱くて、可愛いね?」
「それ、ん……、全然、褒めてない。あ、ふぁ……ッ」
ヒカルを抱きしめながら、ゆっくりとフロイドの腰が動き始めた。
緩やかだけど重たい突きは、蜜路の最奥にまでこつりと当たる。
「あく……ッ、ひ、あぁ……ッ」
「ふふ、ヒカルちゃんのキモチイイ顔、好きだな~。ね、もっと見せて?」
体勢を変えないまま、長い腕はヒカルの膝裏まで届いて片脚を持ち上げる。
抱擁から解放し、上半身を起こしたフロイドはヒカルの太腿にキスをして、脚と腰をしっかりと掴んだ。