第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
フロイドは自己中心的でありながら、ヒカルの様子をよく見ている。
たった一度の交わりでヒカルさえ知らぬ弱点を見抜かれ、甘い声を上げて喘ぐ。
「あ、あぁッ!」
「キモチイイでしょ? ヒカルちゃん、ここ好きだもんね。」
「う……、あ……。」
返事ができないヒカルの代わりに指を咥えた秘処からはだらだら蜜が流れ出て、ぐちゅぐちゅいやらしい音を教室に響かせる。
ここはヒカルの部屋でもなければ、オンボロ寮の談話室ですらないのに。
「じゃあ、ほら、もうちょっと頑張ってね。」
「え……、あ、んくぅ……ッ」
なにを頑張るのかと思いきや、フロイドは己の指をヒカルの弱点まで到達させようとぐりぐり押し込む。
「むり……ッ、あ、むりぃ……!」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ。ん、ほら、届いた。」
強引に押し当てた拳の骨が花芯に押し当り、辛い圧迫に喘いだ瞬間、先ほどよりもずっと強く感じる壁をなぞられた。
「ひッ、あ、あーー!」
身体の中を雷が突き抜け、机の上から背中が浮く。
ヒカルが無様に転げ落ちなかったのは、フロイドがしっかりと支えてくれたおかげ。
しかし、襲い来る快楽だけはどうにもならず、指を咥え込んだ秘処からはぷしゃりと潮が吹き出た。
迸ったそれは容赦なくヒカルの作業着を濡らし、吸いきれなかった蜜が足を伝って床まで落ちた。
「あーあ。びしょびしょになっちゃったねぇ。」
湿ったズボンが内腿に張りつく。
なにで濡れたのかなんて、考えたくもない。
(やだ、わたし……。潮吹いて……。)
これからまだまだ仕事があるのに、こんな恰好じゃ外にも出られない。
ただでさえ、こんなふうに達してしまうのは初めての経験だというのに。
危機的状況に立たせたのがフロイドならば、羞恥と動揺の合間で震えるヒカルに追い打ちをかけたのは、やはりフロイドだった。
「ふふ、お漏らししたみたいだね?」
「……ッ」
それは限界だったヒカルの神経をいたぶるには十分な言葉で、恥ずかしさと情けなさに苛まれたヒカルは、堪えきれずに泣き出した。