第3章 気分屋フィクル!【フロイド】
木漏れ日が差す空き教室で、淫らな女の吐息が乱れた。
作業着のボタンをすべて外され、インナーをたくし上げられ、零れ落ちた二つの膨らみ。
決して小さくはない膨らみを、大きな手のひらがすっぽりと包んで揉みしだく。
「すっげ……、なにこれ、柔らかい。」
「ん……ッ、あんまり、強く、しないで……。」
何事に対しても力加減を知らないフロイドは、胸の柔らかさを堪能しようとぎゅうぎゅう揉む。
力いっぱい揉まれれば当然痛いわけで、ヒカルの顔が苦痛に歪んだ。
「痛い? ごめんね? これくらい?」
性格に難があるフロイドだが、意外と素直に謝れる。
ジェイドのように腹に一物抱えているわけでもないため、ポジティブに考えれば扱いやすい。
「はー、柔らけ。なんかねぇ、クラゲみたいな感触なのかと思ってたけど、違った。オレ、クラゲを握り潰すの、好きなんだよねー。」
「……。」
いろいろと反応に困る発言だ。
クラゲと比べられても微妙だし、それ以前に握り潰すってなんだ。
弄られている胸を潰されるのかと想像し、ぞっと血の気が引く。
「ん、どうしたの? ……ああ、ヒカルちゃんのおっぱいは潰したりしないよ。だって、もったいねーじゃん。」
机の上に座ったヒカルの胸を、フロイドが優しく、愛おしげに撫でた。
手のひらに胸の先端が擦れ、僅かな刺激にぴくんと反応する。
「ん……ッ」
「あ、ここ? ここ、キモチイイんだ?」
ぴんと尖った頂を摘まみ、くりくりと捏ね回されると、ほんのり感じていた快楽が瞬く間に膨れていく。
「あ、んんッ、ふ……ッ」
天才肌のフロイドは何事も要領がいい。
どんなふうに弄ればヒカルが快楽を得るかすぐに覚え、ならばこれはどうか、こっちはどうだ、と手法を変えつつ反応を窺ってくる。
先端ばかりをつつかれ、押し潰され、舐められると、しだいにヒカルの中に燻る熱が溜まっていき、ぐずり、ぐずりと疼いていく。
「……あは、ヒカルちゃん気持ちよさそ。ねえ、もっとキモチイイことしてあげよっか?」
悪魔の囁き声が聞こえる。
けれど、頷いてしまったら最後、今度こそ“合意”になってしまうと危惧してヒカルはふるふると首を横に振った。