第4章 鬼と念能力
外に出るとジンが仁王立ちで待っていた。
「やっと来たか。遅い!!」
「すみません。」
口を尖らせぶーぶーと文句を言うので謝ると、あっさりと許す。
ジンの事は、一生一緒にいても分からない気がする・・・。
「じゃあ始めるか。ん~、まずは体力作りからだな。・・・良し!一日、腹筋1000回、腕立て伏せ2000回、走りこみ1000回だ!!終わったら言ってくれ。」
そう言い残し、ヒラヒラと手を振って去って行くジン。
それを見送ってから、腹筋を始める。
「1,2,3――――・・・。」
此処の体力作りは、ぬるすぎて逆に体力が落ちそうだ。
終わってしまった・・・。とりあえず、ジンの所に行くか。
家の方に戻れば、ジンが椅子に腰掛け本を読んでいるところだった。
「ジン、終わりました。」
報告すると、ジンは驚いたように目を見開いた。
言葉が出ないのか、口を開けポカンとしている。
「おまっ!?堂々とサボるなよ!!」
サボってはいないのだが・・・、やはり、そう見えるのだろうか?
「別に、サボっていませんが?」
「えっ!?いや、汗、とか出てないし・・・。」
「?・・・あぁ、これぐらいじゃあ汗なんて出ませんよ。・・・鬼ですから。」
其れ程までに、驚く事だろうか?
ジンが驚いた時に落ちたであろう本を拾い、パラパラと汚れていないかを確認してから、ジンに差し出す。
「良かったですね。汚れていませんよ。」
「あ、あぁ、有難う、・・・っじゃなくて!!うっ・・・はぁ、体力作りは、もういい。念を教える。」
「はい。」
「・・・お前、本当マイペースだよな。」
そう愚痴りながら移動するジンに、ついて行く。
着いた場所は、木々がない拓いた場所だった。
ジンは、歩みを止め私の方を振り返る。
「まず、念を教える前に鄙鬼、お前の精孔を開く。後ろを向け。・・・いくぞ。」
言われたとおりに、ジンに背を向ける。
その瞬間、ドンッと背中に衝撃がくる。
前に倒れそうになったが、なんとか持ち堪えた。
「お前の体から出ている煙のようなものが見えるか?それがオーラだ。・・・まぁ、説明は後だ。そのままじゃ、お前・・・、死ぬぞ。」