第4章 鬼と念能力
朝だ・・・。
のそりとベッドから起き上がる。
「・・・良い匂い。」
フラフラと誘われるように、ゆっくりと歩き出す。
着いたのは、リビングだった。
扉を開け、足を踏み入れる。
そこには・・・、カイト君?
エプロンを着けて料理を作るカイト君は、まるで専業主夫のようだ。
「・・・!鄙鬼さん、おはよう御座います!!」
「ふわぁ、・・・おはよう御座います。」
欠伸をしながら返事を返す。
「朝食は、今出来ますから少し待ってて下さい。」
ボーとしながら、言われた所に座る。
本当に少しだったようで、すぐにお皿に盛り付けられたサラダとスクランブルエッグ、クロワッサンが机に置かれた。
食べて良いのかとカイト君を見る。
頷かれたので、食べて良いのだろう。
「いただきます。・・・・・・美味しい。」
そう言うと、何故か頬を赤らめ、うっとりとするカイト君。
それを無視し、食べ続ける私。
金魚草も美味しかったが、たまには、こんなのも良いかもしれない。
「カイト君、お水をくれませんか?」
「はい!鄙鬼さんの為なら!!」
そう言って、カイト君は冷蔵庫に向かって行った。
・・・え?私の為?
疑問に思っていると、足音が聞こえてくる。
ジンだろうと目を向けると、案の定ジンだった。
「ん?起きてたのか。・・・あぁ、飯食ったら、始めるからな・・・、修行。」
ジンはそう言って、肩に担いでいた豚、らしきものを床に置き部屋を出て行った。
私は残り少ない朝食を急いで食べ、ジンを追うようにして、扉に手を掛ける。
あぁ、そうだ忘れてた・・・。
「カイト君、ご飯有難う。」
微笑んでお礼を言うと、カイト君は顔を真っ赤にし、床に崩れ落ちた。
!!?・・・・・・まぁ、いっか。
じゃあ、と一言言ってから外に出る。