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【鬼滅の刃】稽古はお嫌い?【柱】

第5章 身を削る思い


いつも通り*は隊服に身を包み、家を出た。
いつもと違うのは、道場に向かわないことだ。
今日は隠の仕事を見学して回る予定なのだ。

見学ついでにお願いしていた隊服ができているか、隊服を作っている工房に寄ることにした。
どうやら新しい隊服は出来上っていたらしく、*に送る準備をしていてところだという。
自信作だと鼻息を荒くしながら言う眼鏡をかけた隠から新しい隊服を渡された。
*がお礼を言うと、試着して着心地を確認してほしいとその隠から頼まれた。
*は、隊服の文字を"滅"から"隠"に変えるだけのはずだが、と疑問に思いながらも着替えるために別室に移動することにした。
隊服を広げてみると、明らかに布の面積が少ない。
服の方だけかと思ったら、口元を隠す布も透けており、妖艶な雰囲気を漂わせている。
前に任務で訪れた港町で、商人から見せてもらった海外の踊り子の衣装に似ていると*は思い出していた。

隊服は鬼の攻撃から身を守る大事な装備。
恋柱や風柱のように特殊な体質であれば、多少の露出は必要かもしれない。
しかし、*はそのような体質ではないため必要ない。
隊服の改善のために海外の服装も勉強しているのだろうと*は感心したが、元に戻すよう隠に頼んだ。
眼鏡の隠は「そんな!寝る間も惜しんで作った最高傑作なんです!せっかく作った隊服を着ていただけないなんて...」
*が断りにくいように言葉を並べたが、理由のしっかり伝えて断った。
それでもなお、その隠は食いついてきた。
*「...。(ブチッ)」

偶然通りかかった隠たちが目撃したのは、立っている*の後ろ姿と正座で小刻みに震えている眼鏡の隠の姿だった。
後ろ姿でも怒っているのがわかるくらいに*は異様な雰囲気を漂わせていた。
後日、*のもとへお詫びの品や文と一緒に鎹烏が隊服を届けてくれた。
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