第4章 【蟲】もう一人の姉
どんなに頑張ってもどうしても埋められない力の差。
仕方ないと、言い切ることができればどれほどよかったでしょう。
頭ではどうにもならないとわかっていても、最後まであがいて、もがいて、手を伸ばして。
きっと、あの人も私と同じであきらめられない理由があったのでしょうね。
私の姉さん、胡蝶カナエのように首が斬れないことを知り、私はとても焦っていた。
毎日毎日、血を吐くような努力をした。
そんなに焦らないで、休むのも鍛錬だからと姉さんに怒られたこともある。
心配をかけてしまい、申し訳ない気持ちと自分の力のなさに不甲斐ない気持ちで押しつぶされそうになっていた。