第2章 【炎】手本は君
その後、我が家に*は訪れなくなった。
父上が*にひどいことを言ったのではないかと気になっていた。
鬼殺隊に入ってまだ日が浅い頃、偶然任務が一緒になった。
背はとっくに俺が越していたが、当時と変わらず優しい*に安堵した。
気になっていたことをそれとなく聞いてみたが*はそんなことはないとやさしく否定した。
しかし、来てくれない理由を聞いても父上との約束だからと答えてはくれない。
守りたいと思った幼い子のような君はもういなかった。
何かの決意をした強い目が、燃えている心を映し出しているようだった。