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鬼滅の刃  療養

第2章 [宇髄天元]


トリとの療養というのは、まぐわうということで。
早く回復したい場合はお互いの体液を混ぜ合い、それを取り込む事で早く回復する。



「あ、俺、身体中痛いから動かなくて良い?」
と、唐突に言われ、部屋の鍵を閉めに行くのに立ち上がっていたトリは頭から湯気が見えるかのようにぼんっと蒸気を出した。


ふぅーーと、ゆっくり呼吸を整えて表情も感情も整える。
そう、療養に入る準備をトリは整えているのだ。


着物の帯をするっと外してぱさっと帯を落とす。
片腕ずつ着物をゆっくりと脱いでいる様は何処の遊楽の女より艶っぽい。
(よくあんなに子供っぽい匂いから、大人の雌の匂いに変化するよな…)
そのトリの1つ1つの仕草を食い入るように目が離さず、自身の身体がどくんと脈打つのを感じる宇随。
何度もトリとまぐわっているが、いつもこの時は初めての気分になる。
ごくり、と喉を鳴らしながら生唾を飲み込む。
宇随に余裕がある訳ではないが、男であるし、柱であるし、見栄を張りたい
という欲がある。

ふふっと、宇随の匂いを察して口元を隠して艶のある表情でトリは笑う。

(見透かされてる、か)
と、はっと自身に対して笑い、トリを呼ぶ。



「こい、トリ」
はい。と、小さな声で、でも、はっきりと通る声で返事をする。


三つ指を付き、宇随に対して一礼をするトリ。
宜しくお願いします。と、声を掛ける。

細くて華奢なトリの指が宇随の胸に触れる。
とくん、とくん、と、宇随の心音を掌で感じる。
トリは安心したかのように宇随に微笑む。
「良かった。お帰りなさい、天元さん」
一気に身体の熱が上がった様な気がした宇随。
トリの匂い、柔らかさ、優しさ、笑顔。全てに興奮して、顔を紅潮させた。

あっ、と、一瞬で宇随に腕を掴まれ厚い胸板に引き寄せられる。
「ありがと、な」
と、照れており消える様な小さな声で宇随がトリにお礼を言うもので、ふふ、可愛いですね、いつも豹とかみたいなのに、とくすくすトリが笑う。
「今日は私が動きますから、天元さんは身を任せて下さい。」

ね?と、宇随の頬に手を添えて言うものだから、そのトリの表情から視線を外せなかった。
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