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鬼滅の刃  療養

第2章 [宇髄天元]


チュン、チュンッと、雀の鳴き声がする。
カーテンの隙間から朝日が部屋に差し込み、ふわっと優しい風が部屋を舞う。


「んん…ここは…?」
宇随が目を覚ましたのは翌朝。柱はやはり回復が早い。
炭次郎達は数日掛かったが、柱ともなれば1日も待たずに目を覚ます。

(胡蝶屋敷…か、上弦の陸と戦った後、気を失ったのか…情けねぇな…)
ふーーっと、動く右手で額を押さえた。
ふわっと、優しく甘い香りが風で部屋の中を舞う。

(この匂い…)
暖かさを左手に感じて、そちらを見ると、すやすやとトリが宇随の腕を大事そうに抱えて眠っている。

(頭の布も、まだ冷たい…。またこいつは寝ないで看病してたのか…)
ふっと、笑うといてぇっと言いながら身体をよじり、右手でトリの頭を撫でた。
隈の出来て居る目の下を、親指の腹でなぞる。
「んぅ…天元さん…死な…ないで…」
と、つうっと一筋の涙を、流すトリ。その涙を、拭ってぺろっと宇随はその涙を舐めた。
「勝手に殺すな、馬鹿」.
くすくすとトリの寝言と寝顔が面白くて暫く眺めていた。






「もー!なんで起こしてくれなかったんですか!」
むんっと、頬をぱんぱんに膨らませて怒っているトリ。
「しのぶちゃんに目を覚ましたって連絡もしないとならないのに、もう!」
ちょっと行ってきますから、大人しく寝てて下さいね!
離れようとしたトリの腕を掴み、ぽすっと宇随の身体に引き寄せる。

「その伝言はもう烏に頼んだ。」
「じゃぁ、お食事をお待ちしま」
「それももう済ました。お前の分も置いてあるだろ」
「じゃぁ、飲み物を」
「嫌と言うほど持ってこさせた」

むぅぅっと頬を膨らませたトリ。
ぷすっと宇随がトリの両頬の膨らみを指で押さえて潰して、顔を自身に近づけさせる。
「ほら、派手に俺の機能回復訓練付き合ってくれよ?」
一瞬、へにょっとした表情のトリだが、目は宇随の妖艶な微笑みに吸い込まれ、顔を紅潮させた。
「宇、随さんとって、いつも調子…狂うんですもん…上手く行かにゃい…」
ははっと、大声で笑い、お褒めの言葉ありがとーと、がしがしとトリの頭を撫でた。
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