• テキストサイズ

鬼滅の刃  療養

第2章 [宇髄天元]


「宇随さん!」
上弦の陸との戦闘後、音柱の宇随が胡蝶屋敷に連れられて来た。
毒は禰豆子が解毒したと隠しの人から聞いたトリだが、それにしても全体的に酷いという事を瞬時に把握する。

治療部屋へと隠しの人へ運ぶのを依頼し、しのぶと手分けして治療薬を作成する。
「私は竈門君達を見るから、トリは宇随さんをお願い。」
はい。と、短めに返事をして、足早に宇随の運ばれた部屋へ行く。

「トリ、天元様を宜しくね」
「トリちゃ〜ん!天元様、治してー!」
「トリさん、天元様を宜しくお願いします。」
泣かないで下さい。大丈夫ですから、と、励ます。
「はい、わかりました。まきをさん、すまさん、雛鶴さん達もこれを傷口に塗って下さい。
すぐ良くなり、傷痕も残らない様になりますから。宇随さんが、お家へ戻る時は笑ってお迎えしてあげて下さいね」
と、眉尻を下げて微笑む。
ありがとう。と、ぎゅぅっと三人に抱きしめてられて、部屋へ向かう。




コンコン
「宇随さん、失礼します」
声を掛けても反応が薄い宇随。
左手の切断部の止血はされているが、出血も酷く、怪我も多い。
毒も解毒されているとはいえ、一度は身体を巡っているため、予断は許さない。


くんっとトリは鼻を利かせて宇随の匂いを嗅ぎ取る。
匂いで身体の状況を一瞬で判断し、癒しの呼吸を使い、宇随の療養を始める。
(ゆっくり、そう、ゆっくり…匂いを嗅いで…)
何度か宇随は呼吸をすると、眉間に寄っていた皺や唸り声も減り、すぅ、すぅと、静かな寝息を立て始めた。
(良かった、落ち着いた。明日には目が覚めるかな。)
ふっとトリは微笑み、宇随の左眼に唇を落とす。
(ごめんなさい。左眼と左腕はもう…)
そう、人間である鬼殺隊員は切断された腕は鬼の様に再生せず、潰れた眼も視力は回復しない。
つぅっと涙を垂らし、その涙を宇随の左眼と左腕に塗る。
トリの涙は疼痛を無効化させる効果がある。
「せめて、痛みは無くなりますように…」
そう呟いて、宇随の寝ている布団の隣にちょこんと座りに自身も宇随の左腕を握りながら、目を瞑る。
/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp