第7章 七色の企てと違和感 ー青と黄ー
お茶を飲み終わってひと息つくと、思い出したかのようにあさひは大声を出した。
「縫いかけの着物、そのままだ!」
『信長様のか?』
「うん、まぁね。」
『作りに行けよ。ここは、片付けとく。
また、俺のも頼むな。』
「ありがとう。ごちそうさま。」
にこりと笑い、あさひは部屋に戻っていった。
あさひの姿が見えなくなると、政宗は家康に声をかける。
『なんか、不味い気がするな。』
『ええ、かなり。』
『あさひ、何かに気付いてるか?
…いや、そうじゃなく違和感を感じてるのか?』
『だから内密なんて無理なんですよ。
同じ城にいるんだし。』
『でも、喜ぶ顔がみたいだろ?』
『まぁ、そうですけど。』
『新しい傘下の国の話、よく出たな。でまかせだろ?』
『嘘も方便、っていいますから。』
『俺も料理の準備、秀吉の御殿でやるかな。』
『むさ苦しそうだから、俺は行きませんよ。』
『あさひの何かがわかったり、変わったことがあれば連絡します。』
『あぁ、あいつらにも言っとく。頼んだぞ。』
話ながらも、政宗は、手際よく洗い物を片付け、揃って台所を後にした。