第17章 虹色の誓い
『それじゃ。』
幸村と佐助がそれを追いかけた。
あさひと信長は、蹄の音が消えるまで、それを見送った。
夕焼けから夕闇に変わる。
『あさひ。』
愛しい人が名を呼ぶ。
「帰りましょうか、城に。」
そう言うあさひは、少し寂しげで、でもこれから来るどんな未来も包み込むように美しかった。
『あぁ、帰ろう。』
手を繋ぎ、皆の待つ場所まで歩く。
(例え何が起ころうとも、この手を離さない。)
ぎゅっと、握りしめるとあさひと信長は視線を合わせ、にこやかに微笑みあった。
紅 完
( 外伝に続く。)