第26章 年末年始と事件
蜜柑は、棗が持っていた蜜柑のアリス石を自身の体内に入れる…
…棗…うちの力…全部…あんたにあげる…
…だから…お願い…戻ってきて…ウチの願いは…それだけ…
…それが叶うのなら、ウチは何を失ってもかまわへんから…
…
‥
蛍が野田先生や今井先輩と何か話している…
蜜柑の方を向いた…
「蛍…?」
「蜜柑…必ず…棗君を助けるから…希望を信じて!!」
そう言うと3人は時空間に向かって行った…
ユキも鍵を取り出して…追いかけようとしたが…冷に止められた…
「何で止めるの…?冷!!」
「ダメだ…今の私達では…彼等を止める事も…連れ戻す事も出来ない…」
どうして…?
ユキが涙を流した瞬間…雨が降り出した…
涙を流すほどに…雨は激しくなっていく…
「ところで、ユキ…君は…いつから天候のアリスを使える様になったんだい?」
「えっ?」
泣きやんだとたんに晴れる…
「もしかして…ユキの持っているアリスのうちの一つがコピーのアリスだったりして…」
可能性なら十分にある…
「もしかして…ちょっとアリスを全部使ってみろ!!」
そう言うと…ユキは、試しにアリスを使ってみる…
「あれ?二つとも使えるよ」
「もしかして浮遊のアリスだと思っていたのが…コピーのアリスだったという事か」
…
そう言われてみればそうなのかもしれない…
それは、ユキ達を預ける前…
よく鈴子は浮遊のアリスをコピーしてユキを浮かせていたっけ…
鈴子自身が「宇宙飛行士ごっこ~」とか叫んで隣のウツギ博士にご迷惑かけてたっけ…
…
子供たちは着実に成長してるんだな…
…
…
…今井さん…
…何もかも諦めて…棗君を死なせたら…きっと取り返しのつかない後悔を背負わせてしまう…
…生きてさえすれば…きっと何とでもなる…
次の瞬間…光が溢れた…