第17章 学生編・残暑のfine(幕間)
プロデューサーさんと仲良しなのは二回の会議で良く分かりましたから、と言う。朔間さんの方もそうだけど、この人も達観してる部分があるし賢いみたいだから、あまり下手な事は言えない…けどみいが一緒となると、みいが心配になる。
「さぁさぁ!ご遠慮なさらずに!」
「日々樹様、お怪我をなされてる女性に触れるのは宜しくないかと」
「おっと!これは失敬!赦して下さいレディ」
ポン、と目の前に花が差し出される。これは…撫子の花。
『あら…私(わたくし)なんかを心配して下さるんですか?』
「おぉ!噂通りの聡明な方!花言葉をご存知なんですね」
「どうゆう事?」
「撫子の花には"お見舞い"や"心配しています"等の意味があるのですよ坊っちゃま」
「と言う訳で参りましょう!本日のティーパーティーは何処にしますか英智」
「うーん、そうだなぁ…」
しまった。流れに乗せられた。
※※※
『ちょっと…これ一体どう言う状況?』
『いや…何か目まぐるしく話が進んでアタシにも何が何やら…』
困った様に溜息を吐く。姫にも分からない状況が私なんかに分かるハズも無いんだな、これが。
昨夜のライブが終わって、あまりにもエネルギー使い過ぎて真っ直ぐに家に帰って即寝た。そして朝からちゃんと学校行って姫に今日の練習どうする?ってメールしたら病院行くからパスって言われて。
昨日の指の事だろうかとも思ったけど、そんな事で病院へ行く様な子じゃないし心配で学校早退して病院へ向かえば姫は痛々しい状態だし何故かfineまでいて訳も分からずに連行されるし。
突っ込みたいところは山程あるけども。
『美味…しぃぃい…』
「お気に召した様で良かったよ」
「姫さまは珈琲だけなんですか?ここのケーキすっごく美味しいんだよ!」
僕のお勧めはねー、とベッタリと姫の隣をキープするこの糞ガキは何なんだ。いや確かにほっぺた落ちる程美味しいけど。値段も相当高いけど。
「坊っちゃま、お怪我をなされてる女性に寄り添うなどはしたないですよ」
『あぁ、お構いなく』
「姫君は姫様の事が大層お気に召した様ですね」
むむむ…やはり姫は子供に甘い。甘過ぎる。