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引金の旋律【あんスタ】

第17章 学生編・残暑のfine(幕間)


それは体育祭の次の日の事だった。
振替休日で学校が休みになった僕は念の為、病院で検査を受けて、まぁ問題は無かったから昼過ぎ頃には終了。



「良かった….会長に何も無くて」

「私も安心致しました」

「昨日は激しかったですからねぇ。私も心配で付いて来てしまいました!」

「心配してくれて有難う。折角の休日に皆が揃ってる事だし…」



少しお茶でも…と皆に提案をしようとしたところで病院の受付に見覚えのある人物が居て、歩と口を止める。



「会長?………ってあ!おっぱ…じゃなくてNoGenderのマネージャーさんだ!」

「おやぁ?本当ですね。この様な場所でお目にかかるとは…」

「あの女性がNoGenderのマネージャー…?」

「そっか、奴隷は見た事無いんだっけ?」



受付の人と少しだけ会話をして頭を下げると踵を返してて病院を出ようとした所で向こうも此方側に気付いて歩を止める。大層痛々しい様子で左腕が三角巾で固定されていた。





※※※





何だろう。最近ちょいちょいタイミングが悪い気がする。夏終わり頃から夢ノ咲学院と関わる様になって、たまーに遭遇するし…その遭遇のタイミングが悪い。



『えーと…fineの皆様が病院にお揃いとは…』

「昨日、多少無理をしてしまったから少しだけ検査をね」



異状は無かったけど、と爽やかな笑顔の天祥院さんが苛立つくらいに眩しい。確かこの人はあまり身体が丈夫じゃないんだっけか。



「桜音さんは…聞くまでも無く整形外科かな?」

「実にお労しい…」

「何だっけ?その白い布してるって事は骨折っちゃってるんですよね?」

「坊っちゃま、三角巾です」

「どうしたんですか?その腕」

『あー…』



昨日のライブでなんて言ったら変な気を使わせるし、そもそもバレてしまうし。



『少し油断しただけですので』

「そうですか………あ、良かったらこの後、お茶しようと思ってたんですが桜音さんもご一緒しませんか?」



うわ、待って面倒な事になりそう。



『有難いお誘いではありますが人を待たせてるので』

「ではその友人も一緒に。恐らくプロデューサーさん、の事ですよね?」



むぅ…この人も腹の底が読めないタイプだな。



「そんな不思議そうな顔しなくても分かりますよ」

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