第14章 学生編・初秋のNoGender
ドラムはどうやら鬼龍くんと知り合いらしく空手部と楽しそうに会話をしていて、ギターの空音、池上先輩は先生達と会話を楽しんでいる。そしてボーカルはとてつもなく元気そうでバスケ部とバスケを楽しんでいる真っ只中な今は少し遅めの昼休憩。
「おーいアカネさん!皆バスケ上手いんだけど相手になってくれよ」
『ざけんな。俺は球技は苦手だっつーの』
「って言ってるけどさー、うちのアカネさん僕達の中で一番運動神経良いの。その次にアイネでクオン、僕、レントなんだよねぇ」
その順番は少し意外。
「レント、あんな体型だから喧嘩強いだけで運動音痴だから」
「聞こえてっぞ変態!」
「総合的な能力をグラフにするとするじゃん?そうすると一番は勿論アカネさんで二番手にクオン、三番手にアイネの四番手レントで僕、最下位」
音楽的才能なら僕が一番なのに、と口を尖らせる様子を呆れた表情でベースが見る。
『これ賭けだろ?お前負けたら何すんの?』
「うーん…」
『待って、俺が決める』
「え゙」
『どうする?1on1?』
「1on1じゃ僕に分が悪いから…えーと守沢と明星だっけ?助っ人宜しく」
『じゃあ俺はー…そこの双子』
「「!?」」
『君達運動神経良さそうだし指名してもいいか?』
「「喜んで~!」」
※※※
「…意外じゃの」
皆が朱音様と紫音達の3on3を見守る中、零がぽつりと呟く。
「ボーカルは兎も角ベースはあまり社交的には見えんのじゃが」
「あ、その通りよ」
特に朱音様は一番素性がバレたらマズいから必要以上に他人と関わる事はしないタイプ。だけど今は。
「ありゃ何か企んでるわ」
『多分この後シオンは泣く事になる』
と、性格の悪そうな笑みを浮かべる藍音は朱音様に渡すであろうスポーツドリンクの入ったペットボトルを持っていた。
「泣く…とは?」
「朱音様ドSだからねぇ…」
『シオンの嫌がる事させるんじゃない?』
ざまぁみろ、とクスクス笑うとそろそろ休憩時間が終わるのを知らせる為に声をかけに行く。
「キーボードの嬢ちゃんもなかなかひねくれた性格のようじゃな」
「ヤンデレラ、メンヘレラだからねぇ…」
NoGenderのリーダーは紫音でマネージャーは姫様だけど…