第13章 学生編・初秋のBurlesque
この脳筋はウチのアカネを何だと思ってるんだ!一応、男っぽく振舞ってはいるし超イケメンだけど立派な女の子なのに。その女の子に力仕事させようなんて最低過ぎる。
「朱音様は準備に時間がかかるからねぇ…そもそもあまり朱音様をアテにしたら駄目よ」
「いやまぁ…それも分かってるけどよ…つーか何でオカマは化粧だけでヘアセットしてねぇんだ!顔思いっきり出てるじゃねぇか!」
「ワタシは母校だし後輩の前だし~正体知ってる子も多いから隠してもねぇ?それに髪の毛纏めてる方が暑くないし」
このオカマも本当に腹が立つ。私なんかウィッグだから超暑いし、アカネもこの暑い中フード被って眼帯マスクなんだから蒸されるのにちゃんとした格好するってのに。本当に皆自己中だよねぇ…演奏の時はバッチリ合うのにそれ以外は全く。
「これからの段取りはレントがトラックで楽器運んで僕達はクオンの車で夢ノ咲まで行くんでしょ?」
「そうね。悪いけど人数多いから高級車は使わないわよ〜」
このボンボンめ。
※※※
「ちーっす。楽器のお届け物デース…ってあれ?シオン達まだ来てねぇの?」
"オレ等より先に出たよな?"と首を傾げる。楽器をステージに運ぶから早めに出発したのは空音が運転の車に乗った紫音と藍音。だが三人の姿は見えなく、出迎えてくれたのは責任者っぽい先生と天祥院さん率いる生徒会役員と力仕事が得意そうな面々とプロデューサーの女の子だった。
『どーせどっかで道草食ってんだろ。彼奴等来る前に楽器のセッティング終わらせようぜ』
「オレまた力仕事担当かよ」
『つべこべ言ってんじゃねぇよ。一番ガタイ良いんだから働け』
「へいへーい」
そう言いながら大型トラックを降りれば想像以上に暑くて一瞬で身体全体が蒸される。
「此方もまだ全員揃ってなくて…一応、手伝えそうな者は集めたんですが…」
『お構いなく。寧ろ此方こそすみません。リーダーが遅れてる挙句にマネージャーが来れなくて。ですがマネージャーからしっかりと仰せつかってるので心配は無用です』
一同(強面なのに言葉遣いめっちゃ綺麗)
軽く挨拶を済ませてトラックの荷台を開けようとすれば不意に携帯が鳴って画面を確認すれば"池ちゃん"の文字。
『てめぇ等何してんの?』
一同(一言目から喧嘩腰!?)