第8章 学生編・終夏のNoGender
俺達は一般人だからそんなハッキリ言ったらファン離れるってのに…しかもアイネは唯一の女の子枠だから男性ファンも多い。
『でもぉ…そうだなぁ…全てがアカネより基準値が上回ったら考えるかも!』
「基準値…」
『例えば人間の能力…顔面とかスタイルとか性格とか頭の良さとかを数値化するとする。その中で平均値が5、パーフェクトが10とすると…アカネは全てにおいて10点…いや寧ろ飛び抜けて100点かも!それを越える人が居たら考えるかなー』
一同(絶対居ないやつー…)
「本当にアカネ馬鹿だよねーウチのアイネは。んじゃまぁ次でラストくらいにしよっか」
※※※
-ガラガラガラ-
「お次はー…6番!」
「あ、おれだ」
一同「!?」
控えめに手を上げる月永くんにNoGenderの皆の視線が刺さる。
「ぅわ…想像以上に凄い迫力」
まぁ確かに。皆やんちゃそうだし…特にドラムは顔面ピアスだらけで強面にも程がある。ベースも片目しか見えてないし一昔前のカタギの様なリーゼント。ボーカルも金髪オールバックに大きなサングラス。この三人は特に迫力がある。
「ど、どうしようレイ」
「お主が聞きたい事を聞けばいいじゃろう」
「えーと…じゃあNoGenderの作詞作曲は誰が担当してマスカ」
「ほーお!曲についての質問は嬉しいね」
とボーカルがメンバーを見渡すとメンバーが頷く。
「作詞作曲は大体僕が基盤を作って、作曲はその後にクオンとアイネが主体に皆で弄ったりして作詞はよくアカネに正されるかな」
『てめぇは国語を小学生からやり直せ』
「って感じ」
「あ、有難う御座います」
成程。個性の強い面々だがメンバーの仲は良いらしい。
※※※
「さて。じゃあお話はこれくらいにして…最後まで突っ走るか」
「「「いえーい!」」」
「良い返事だね!アカネさん、喉温まってる?」
『まぁぼちぼち』
-ざわっ-
「え、嘘」「もしかして朱音様が歌うの?」
「待ってそれヤバイ」「今日来て良かった…」
-ざわざわ-
「はいはい静粛にー。残念だけどまだソロ曲歌える程回復はしてないからね。最後の一曲はデュエットでお送りするよー」
「「「きゃぁぁあ!!!」」」