第6章 学生編・終夏のSonority
「そうね…じゃあ皆、機会があればまた会いましょう」
「待って。一個だけ聞いていい?」
「何かしら?」
どっちがどっちか分からないけど双子の片割れが腰を折り曲げて下から覗き込む様に我等が姫様に上目遣いをする。
「マネージャーさん、やっぱりこの前の会議の時と雰囲気違うんだよね…どうして?」
『ど…どうしてって…』
「んもぅ!お子様ね!お化粧のせいよ!」
「あぁ成程、そう言う事じゃったか」
「このどすっぴんナチュラルがいつもキュートなこの子なの!」
ほっぺたを撫でようと伸ばした手を思いっ切り叩かれる。
「童顔気にしてるくせに大人のオネエサン顔負けのスタイルだからねぇ…どうしてもキツめの化粧しちゃうのよ。発育の暴力って罪…」
-ゴッ-
一同「!?」
『そろそろその綺麗な顔か内臓の一つや二つ潰すわよ』
「発育の暴力だけじゃなくリアル暴力まで………好きっ♡」
『黙れドM。帰るって言ったでしょ』
悦びに悶えていると首根っこを掴まれて引き摺られる。そんなやりとりを白い目で見る後輩に手を振る。
※※※
「何か今日は色々あって疲れちゃった」
「わはは!確かに池上先輩のキャラの変わり具合には驚いたけど面白さに磨きがかかってたな!」
「NoGenderのライブ楽しみだね」
「ねー!」
「………」
「どうしたわんこ。黙りこくってらしくないのぅ」
「別に。ただ…バレたら解散とか言ってやがったが、そこまでして音楽をする理由は何だろうと思って」
「さぁのぅ…皆、色々と抱えてるモノがあるんじゃよ」
※※※
-ガチャ…-
『御免、遅くなっ『姫ーっ』みい、そんなに勢い付けたら危ないよ』
和音さん宅の離れを改造してスタジオとして使わせて貰っていて、そこがいつも俺達の溜まり場。今日もスタジオにバカトリオ(俺とヤンヘラとゴトー先輩)で先に練習をしていたら姫さんが疲れた顔付きで入って来た。
「んだぁ?姫サンえらくご立腹じゃねぇか」
「どうせまた和音さんが変な事言ったんじゃない?」
姫さんは買出しをしてから合流すると言っていて一人じゃ大変だろうからと和音さんが迎えに行った。