第6章 学生編・終夏のSonority
池上 和音。元、夢ノ咲学院の生徒で我輩の一級上の先輩。当時は生徒会長を務めてて実力も才能もあったのにアイドルにならなかった人。
と言うのも財閥の御曹司で跡を継ぐ事を選んだとされているが…実際のところは………
「うふふ、また後輩と会えるなんて嬉しいわ」
「「「誰(だ)?このオネエ」」」
「我輩の一級上の先輩じゃ」
「「「へー」」」
池上先輩は今の二年生と入れ替わりで卒業してるから一年生や二年生は知らない人が多い…と言うのもだいぶキャラクターが変わってしまってるのもある。
「池上さんって…こんなキャラだっけ?」
「凜月ぅ~貴方も変わらないわね…ん?ちょっと待ってよ」
『………』
うーん、と首を捻る池上先輩を見るマネージャーは心底機嫌が悪そう。
「もしかして零、弟と同じ学年って事?」
「いや俺、留年してるし」
「兄弟揃って留年してるの!?」
『へぇ…貴方達ご兄弟なんだ』
「「!」」
それまで視線すら合わせてくれない全力無視で全く興味が無さそうで我輩達を鬱陶しそうにしてたマネージャーが我輩と凜月を見比べる。
『確かに似てる、かも』
「少しは興味出て来たかえ?」
『いえ、全く』
一同(一刀両断…)
※※※
「そう言えばだけど、NoGenderのマネージャーと親しいって事は池上先輩もNoGenderの関係者なのか?」
月永の質問に答えようとすると姫様から"余計な事は言うな"と言わんばかりに思いっ切り足の甲を踏まれる。
「んー…まぁね。明後日NoGenderがライブする所のライブハウスのオーナーしてるの」
一同「!?」
小さく溜息を吐いてる様子からして…まぁこのくらいは許してくれる。
「じゃあNoGenderの事詳しいのか!?この女さっきから俺様の質問を無視して答えやがらねぇ!」
『………』
「あー…まぁ…でも御免ね。彼等が素性を一切公表しないのは、それなりに深刻な理由があるから聞かないであげて」
『素性が誰かに知られれば解散です』
一同「!!」
だから聞くな、と圧力をかける。多分ワタシが此処に来るまでの間、質問攻めで大変だったのだと推測する。
『行こう。あまりゆっくりしてるとライブの準備に間に合わなくなる』