第5章 学生編・終夏のRecord
「変装に関係無いものばっかり」
「んな事………ってあぁ?朔間先輩居ねぇじゃねぇか」
「あれー?ホントだ」
「またどっか行っちゃったね」
「ったく…あの吸血鬼ヤロー何処ふらついてやがんだ!!!」
※※※
薬局の後は化粧品売り場で色んな種類の化粧品を購入した様で、そして今はショッピングモール内の服飾店舗見て回って目星い品を見付けると立ち止まって見ては携帯にメモをする。
自分の為の買い物と言うより人の為の買い物のような気がする。
『うーん…二階に三軒、三階に一軒と言う所か…』
「服のサイズも種類も見事にバラバラじゃな」
『…そんな面倒な探り入れないで頂けますか?』
「ほぉ?」
じっ…と大きな瞳に睨み付けられる。
『NoGenderメンバーの衣装の基盤の買い物です』
「基盤?」
『後は各々でお好みに装飾やアレンジをすr「きゃあぁぁああ!!」…?』
広いショッピングモール内に響き渡る女性の叫び声にビクリと肩を跳ねさせる。
「ひったくりよ!誰か捕まえて!」
と声がした方を見ると人々を突き飛ばしながら此方側に走って来る男が見える。子供まで容赦無く突き飛ばして子供が泣き叫ぶ。
『何でかなぁ…今日は平和じゃない』
「?」
『退いて。邪魔』
ぽつりと呟くと我輩を押し退けて数歩前に出る。まさか…引っ捕まえる気か?待て待て待て。流石に無理があるだろ。
「邪魔だ!退けぇ!小娘!!」
『邪魔はアンタよ。面倒事に巻き込んでくれちゃって』
「おい、嬢ちゃん止さんか!」
-パシッ-
「「えっ」」
-ぐいっ-
「痛っ!?いてててててて!!!」
「………」
まるでドラマや漫画であるワンシーンと同じだった。腕と襟元を掴むと勢いを生かして綺麗な背負い投げをキメると背中に腕を回して身動きを封じる。
※※※
『ほら、盗った荷物を返して』
「くっそ…」
『はいどーも。逃げられたら困るからオトさせてもらうね』
「えっ…あ、………」
後ろから男の首に指を当てて押さえると十数秒で気を失う。気を失った事を確認して男から手を離せば被害にあったであろう女性が走って来たから荷物を返す。
「有難う御座います」
『別に。それよりも通報お願いしてもいいですか?』