第27章 学生編・中秋のNoGender
「………携帯なんかガン見してどうしたの?」
珍しい気持ち悪い、と相変わらず辛辣な言葉を投げ付ける凛月に傷心しながら"すまほ"の画面を見せる。
「メッセージとやらの確認はどうすれば良いんじゃったかのう?」
「メッセージの確認?ここをタップすれば良いだけだけど…」
「たっぷ?」
「触れば良いの。てゆーか兄者にメッセージのやりとりをする相手なんて居るんだ?」
誰?プロデューサー?と聞いてくる凛月にビジネス相手、とだけ答えて教えて貰った通りにメッセージの画面を開けば本当にビジネス相手(多分智桜姫ちゃん)で硬っ苦しい丁寧な文面で要件が記されていた。
「ふむ」
「ねぇそれ、本当にビジネス相手?」
「何じゃ凛月。お兄ちゃんを疑うのかや?」
「別にどうでも良いんだけど、ビジネス相手とメッセージのやりとりしてるって顔じゃない」
「?」
「つまり仕事顔じゃないって事」
何か楽しそうで気持ち悪い、と言い放って部屋に戻る。
一体我輩はどんな顔をしてたというんだろうか。でもまぁ智桜姫ちゃんと話すのは面白いし興味がソソられる。賢いが故に回りくどく言っても理解するし辛辣ではあるが何だかんだで優しい子だし…何より陰がある、と言うより何かを秘めてそうで、それを暴いてみたくなる。
※※※
『…くしゅっ!』
「あらやだ風邪?大丈夫?」
最近の夜は少し涼しくなってきたからねぇ、カーディガンをかけてくれるからお礼を伝えて机に向き直ろうとしたら自然と壁時計に目が行ってすっかり日付が変わってる事に気付く。
あちゃぁ…零さんにライブの要件をメッセージしたのもついさっきだし全然時間を気に止めてなかったから時間的に迷惑だったかも。
『そろそろ帰らなきゃ。御免ね長居しちゃって』
UNDEADのライブの件、夢ノ咲学院のお手伝いの件が纏まった後にアタシ達のハロウィンライブの予定を決める話し合いをしていたらすっかりと遅くなってた訳だ。
ゴトちゃんは仕事が朝早いから既に帰ってるけど他のメンバーは残っててみいとしーちゃんに至ってはいつの間にか眠っていた。
『みい!しーちゃん!起きて』
『「ん~…って!寝てた!?」』
「んもぅ二人はまだまだお子様ね!誕生日的に最年少は姫さんなのに」