第4章 学生編・終夏のSound
そんな事を考えながら同じ様に書類に目を通す。当日の大まかなプランはメインの体育祭が終わった後に体育祭のフィナーレを盛り上げる為に校内で野外ライブを執り行う。一応、各ユニット皆が参加する方針ではあるけど、なんたって体育祭後のスグのライブ。
疲弊や体調も考慮して辞退も可能にしてある。
『成程、当日によって状況が変わりうると…まぁその辺はメンバー達なら対処出来るでしょう』
「その言い方だと…当日はまるでマネージャーさんが来ない様な言い回しじゃの」
『ええ。私(わたくし)こう見えても一応超エリート学校の生徒なので当日は模擬テスト等が有り足を運ぶ事が出来ません。ですがメンバーだけでも問題有りません。個性的な面々ですがいざとなれば結束力と協調性は有りますので』
この人はNoGenderの皆さんの事をとても信頼しているんだな、って思った。
※※※
-さっ-
-さささささっ-
『此処が夢ノ咲学院…』
流石、芸能系を育成してる学校なだけあって、とても大きくて綺麗な立派な学校。ウチの様なお馬鹿学校とは全然違う。
とまぁそんな訳でこの下宮 実菜未、現在夢ノ咲学院への侵入を成功させました。何故そんな事をしてるのかって?
『そりゃ心配だからだよ!』
マネージャーとして話し合うって言っても夢ノ咲学院のアイドル科は男所帯。アイドルとか言っちゃってるけどオスはオス。あの変態ドMオカマが付いてるとは言えど…頼りにならないから心配。
-ちょんちょん-
『ちょっと。今忙しいからやめて』
-ちょんちょん-
『だーかーら…っ』
「ねぇ君。ウチの生徒じゃないよね?こんなところで何してるの?」
『きゃあぁぁ!?!?!?』
※※※
『難しいかも知れませんが顔合わせ、リハ等が出来る様にスケジュール調整はしてみます』
「宜しくお願い致します」
『では私(わたくし)はこれにて失礼させていただきます』
テキパキと書類を片付けると一礼して席を立つと扉まで歩いて行く。正直こんなエリートとあの池上先輩の接点は見当たらない。
「待って。駐車場まで送りを…」
『結構です。道は覚えていま…』
とドアノブに手をかけようとした時だった。
-バァン-
「会長大へわぷっ!?」