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引金の旋律【あんスタ】

第23章 学生編・中秋のNurseryRhymes


因みに今日は19時から特別Timeで誰でも参加OKなボーカルのみの対バンライブをするんだけど奏者はNoGender。だから19時までには箱に戻らなきゃいけない…と言っても朱音様はご覧の通り不参加な訳で朱音様の代わりに紫音がベースをする。
つまり姫様には普通にスタッフとして働いてもらうわけだ。



『姫様の相手役が朔間兄ってのがちょっと気に食わないけど』

「仕方無いじゃない」



宗なんか"ノン!あんな破廉恥娘と恋人ごっこなど僕の身が持たない"とか顔を真っ赤にして怒っちゃったし、そもそも18時からライブだから間に合わない。
移動中の車の中で大まかな相談は済ませて後は演者である二人に任せてる。正直ワタシも妬けちゃうけどワタシじゃ役不足だし、これも仕方無し。台詞は全く無いし雰囲気だけで演じるって相当難易度高いけど…まぁ零はアイドルだし姫様もちょっと前まで役者目指してたくらいだから大丈夫でしょう。



『池ちゃーん!』

「実菜未、カメラ回して」

『はいよー』



姫様からのOKサインが出て実菜未がカメラを構える。そしてワタシは曲を流す準備をする。





※※※





あぁ綺麗だなって。お似合いだなって思った。カメラ越しに見る二人はシルエットだけで台詞なんて一つも無いのに、ちゃんと曲の雰囲気に合わせてて凄いなって思った。
私の気持ちを歌で代弁してくれただけじゃなくて当時の私の心境もしっかりと演じてくれてる。



『………』

「実菜未…アンタ…」

『煩い黙れオカマ』



そして最後は二人が額をくっ付けた後に男役が女役の手を離し去ってしまい、女役は泣き崩れる。そして闇に包まれようとしてる海に向かって歩いて行く所で終わる。



「わー!ちょっと待って姫様!カムバーック!それ以上海に入ったら風邪引くから!」

『ん?撮影止まった?』

「OKOK!もう充分よォ!」



あらそう?とザブザブ音を立てながら戻って来ると朔間兄が困った様に笑いながら姫に上着をかけて池上さんはタオルを姫に渡す。



『…?いつまでカメラ構えてんの?』

『ゔ…うぇ゙…あ゙り゙がど、姫~っ』

「「!?」」



色んな感情がごちゃごちゃと回る。
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