第23章 学生編・中秋のNurseryRhymes
何かもう訳が分かんなくなって涙が止まらなくなって姫に飛び付くと優しく抱き締めてくれて頭を撫でてくれる。
『あぁもう…これから演奏しなきゃいけないのに涙のせいでお化粧もボロボロじゃないの』
『だっでぇ…』
『はいはい。もう泣かないの』
(藍音くんはどうしたんじゃ?)
(多分色々と思う事があるのよ。なんたってヤンデレラメンヘレラはメンタル不安定だから)
ウィッグの前髪を払い除けてタオルで涙を拭ってくれる。あぁもう…どうして私ばかりが泣くんだろう。泣きたいのは姫も同じなのに。
『多分アタシは…次にアイツの顔を見たら殺しちゃうかもしれないよ』
「「!?」」
『認めて託したのに…手を離して泣かして今もこうしてみいを泣かせてる』
『殺したら…姫が刑務所入っちゃうよ…』
『そうなれば池ちゃんが色々揉み消してくれるよ、ね?』
「え、ちょ…よく分かんないけど任せて!」
「物騒な話の安請け合いは良くないと思うんじゃが」
※※※
もうこの時間は絶賛Valkyrieがライブ中だから表から箱内に入る訳には行かないから裏口から入る事にする。すっかり泣き疲れて眠ってしまった藍音を姫様がお姫様抱っこで運ぶ。
-ガチャガチャ-
-ギィ…-
両手の塞がってる姫様の代わりに秘密の部屋の鍵を開けてドアを開ける。
「この部屋は?」
「姫様と藍音と朱音様しか入れない秘密の部屋よ。じゃあ姫様、藍音をちゃんと寝かしたら急いで戻って来てね」
『はいはい』
藍音を抱えた姫様が中に入ったのを確認して扉を閉めて裏口の扉を開けてバックヤードに入る。
「藍音くんは寝てしまったが…キーボードはどうするつもりじゃ?」
「大丈夫よ。問題無いわ。零はVIP席に行ってゆっくり寛ぎながら見ててちょうだい」
「しかし…」
「19時からのライブは飛び入り参加型だから興味があったら参加してみて!何なら兄弟対決、或いは兄弟ユニットなんてアリかもね」
そう言ってみるとご機嫌にVIP席に行く。本当、弟の事大好きよねぇ。
→To Be Continued.