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引金の旋律【あんスタ】

第22章 学生編・中秋のSoundTrack


「朱音さん、めっちゃ強面やのに…めっちゃ綺麗な顔してはる」

「何を今更。目の綺麗な人間は顔が綺麗だと決まっているのだよ」



いつも左目しか見えてない朱音の目はそれだけでとても美しい。野蛮で品が無いのが残念なところだ。そもそもNoGenderのメンバーは皆、整った顔をしている。池上先輩なんかは性別不詳なくらいの美人だし椎名も中性的な綺麗な顔をしている。下宮も黙っていれば飾っておきたいくらいの可愛い部類だし黄音だって男前な顔をしている。
マネージャーの桜音に至っては日本人離れした彫刻の様だと思う。



-すぅ…-



一同「!!!」



朱音が深く息を吸い込む。それだけで全身が粟立つ。





※※※





ちゅーっ、とストローで水を啜る朱音くんは既に完璧に顔面を防御して壁に背を預けてモニターに食い付く皆をじぃっと眺める。
取り敢えずは一回目の撮影を終えて皆でモニタールームで映像の確認。



「あ~くんは確認しないの?」

『あ~くん?』

「朱音だからあ~くん」

『あぁ、そゆ事………PVは機械が得意な紫音藍音空音に任せっきりなんだよ。俺や黄音みたいな脳筋は機械とか壊すタイプだから』



そう言うと、ズルズルと座り込んで深く息を吐く。たった一曲歌っただけなのに随分と疲労してる様に見える。



「しんどそうじゃの」

『ったりめーだろ…こんなおっさん声の奴が女声出すのはなかなかキツいんですよ』

「でも俺、あ~くんの女声好きだよ?」



ハスキーで凄く色っぽいよね、と凛月が言うと"どーも"と頬を掻きながら素っ気無く答える。確かに凛月の言う通り朱音くんの女性声は淡い色と深い艶がある色っぽい声。声質的には…少し智桜姫ちゃんと似ている気がする。





※※※





「皆いい仕事するね!」

「カメラワークも文句無しだわ」

「当然なのだよ!任されたからにはキッチリ………って影片!?何故泣いている!?」



だばーっと滝の様な涙を流すみかたんにティッシュを差し出してモニターに向き直る。



「何やろ…朱音さんのバラードって心に刺さるん…感動すんねん…」

『当然でしょ。アカネメインの時は私が中心になってプロデュースしてるんだから』

「「「普段からそのやる気出(しなさいよ/してよ/せよ)」」」
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