第21章 学生編・残暑のNoGender(幕間)
「俺様は他言する気はねぇよ…じゃなくて無いです」
「あぁ、その通りだ」
『別に貴方達を信用してない訳じゃないよ。池ちゃんの後輩だし何よりアイドルとか芸能系は秘密厳守は鉄則の世界だし』
と焼けた肉をそれぞれの皿に配って次の肉を焼く。割と大事な話をしてるんだと思うが………何か…面倒見のいい子だと思う、と言うより智桜姫ちゃんはNoGenderの母親みたいだと思う。
『まぁNoGenderは連中が訳あり過ぎだから自分達だけで秘密を守るより、信用信頼出来る人を増やして秘密を一緒に守ってくれる仲間が居た方がいいかも知れないけど…』
もう暫く様子見ようか、と微笑すると皆が安心した様に一息吐く。よく分からないけど我輩達までホッとしてしまった。
※※※
「色々吃驚しちゃったけど結論を言うと、この場には紫音くん藍音ちゃん空音さん黄音さんがいる訳だね~」
そう思うと萎縮しちゃうなー、と軽い調子で言うチャラ男はどうにも姫に興味があるみたいで、さっきからチラチラと姫を見てる。
『何ですか?まだ私(わたくし)の好みが知りたいんですか?』
「えっ!?いや~…うん、まぁそんなところ!」
「薫くんも懲りんのぅ…」
「まさかこんなに可愛い女の子が二人も居るなんて思わなかったけど…みいちゃんは朱音くんが好きらしいってゆーか朱音くんと彼氏彼女って事でしょ?」
藍音ちゃんって事はそう言う事だよね?、と聞かれて一瞬だけ迷ったけど…嘘の肯定の返事をすぐにした。
「流石に彼氏持ちの子に手出しは出来ないしさ~」
「女遊びは大概にせぇといつも言っておるじゃろう」
女遊び…!?この人サラッと女遊びって言った…!こ、此奴等に姫を近付けさせる訳にはいかない、危険だ。
『しゃー!!!』
一同「!?」
『こらこら、威嚇しないの。そうねぇ好みねぇ…』
うーん、と態とらしく考える仕草をすると含みのある笑顔を浮かべて含みのある言葉を発する。
『アタシより【全て】が強い人』
その意味が分かってる私達は頭を抱え、意味が分からないであろうUNDEADの皆はキョトンとする。
「強い人って…そんなのは沢山居るんじゃないかな?姫ちゃんはか弱い女の子なんだし」