第21章 学生編・残暑のNoGender(幕間)
NoGenderの皆のいい所は情に厚くて絶対に仲間を裏切らないところ。ただ皆アタシと違って素直な正直者だから特に頭の回転が速い人と話して尚且つ容赦無く確信付けられると、こうも激しく動揺して隠せなくなって肯定してしまう。
一人二人ならアタシでもフォローは出来るけど四人全員がこうなってしまうと逆にフォローは難しく見苦しいものになる。
『「「「ウッ…」」」』
『………』
四人してアタシに助けを求める子供の様な目で見るから、ちょっとだけ悪足掻きをしてみる。
『何故そう思うんですか?』
「朱音くんへの愛と背丈体型、声は割と高低差を付けておるが質は変わらんし喋り方かの。後は体育祭のライブの前に智桜姫ちゃんの話題が出たんじゃが妙に噛み付いてきた。まぁその場は朱音くんにまんまと空気を変えられてしもうたがのぅ」
最終的な確信は此処に来た事だ、と零さんは言う。
まぁあの体育祭のアレは割と致命的だとアタシも思ってたし、この人も相当賢いから近いうちにこうなる事は何となく予想は付いてたけど、こんなに早くみいがバレるのは想定外。
「答えは如何かの?」
『お見事です。花丸満点ですね』
「「「ただの吸血鬼じゃなかった…」」」
『姫!』
何か物言いたげにアタシを呼ぶみい。
『ここまで直球に証拠を提示されてシラを切るのは見苦しいものよ』
※※※
『Valkyrieに続いてUNDEADにまで藍音の素性がバレるとはねぇ…』
『「「「ウッ…」」」』
頬杖を付きながら焼かれている肉をトングで引っくり返す智桜姫ちゃんの顔色は何ら変わらないがNoGenderのメンバーは泣きそうな顔で智桜姫ちゃんを見ていた。そんな様子をUNDEADのメンバーは戸惑いがちに見守る。言わない方が良かったかな。
『天祥院さんは直接的には言わなかったし探りは入れられてたけど、まぁあの様子だと上手く勘を逸らせたと思う』
天祥院くんまで。否、あの天祥院くん相手にそれは…正直一般人では無理だろう。
『"お決まり"がだいぶ綻んでる。このままじゃ解『「「「散は嫌!」」」』…って言われてもねぇ…身内以外にはバラさないバレてはならいって決まりでしょ?』
「ワタシの後輩は身内に入らないかしら…」