第19章 学生編・残暑のKnights(幕間)
『アタシ、自分よりオツム弱くて喧嘩も弱い人、嫌いなんだわ。何よりアタシの大切な子を泣かせた事、土下座されても赦さない』
パラパラと粉砕されたギブスの外れた腕をコキコキ鳴らしながら不良達に向き合うと制服のブラウスを捲り上げる。
『姫…!私まだ何もされて無いから…!やり過ぎないで………』
『アンタを泣かした時点で重罪だっての』
-ドゴォ-
と一人の不良を殴ると壁にめり込む。いや、今度は本当。何なのこの子。この子本当に何者。
※※※
『弱いねぇ?本当にただの発情期のお猿さんだねぇ?出直す価値も無いから刑務所入って改心しようね?それが嫌ならアタシの下僕に…』
一同「なります!姐さん!!!」
『うんうん。賢い選択だねぇ?因みにアタシを裏切ったら…』
一同「切腹します!!!」
『いい子いい子、せっくすは好きな人とするから価値のあるものだからね?じゃあ初めの任務はこの街のゴミ拾いかな』
一同「畏まりました姐さん!!!」
と呆気なく問題を片付けてしまい、場所は変わって近くの喫茶店。広めの席を六人で陣取りテーブルの真ん中には超巨大なフルーツパフェ。
『助けてくれたお礼。私の奢り』
『いいの?アタシ払うよ?』
『姫は出さないで。元々、私が作ったパフェを食べてもらう為に呼んだんだから』
絡まれていたNoGenderのプロデューサーはウエイトレス姿に着替えて、その巨大なパフェと飲み物を運んでくると少しだけ話して持ち場に戻る。
「ってゆーか、あの不良達、野放しにして良いわけ?」
『大丈夫大丈夫。あの様なお猿さんの集まりは頭が居れば改正改心出来るので』
「手馴れてるわねぇ…貴女…NoGenderのマネージャーさんだっけ?その制服、名門の超エリート学校の生徒でしょ?」
セナとナルが探る様にマネージャーに話し掛ける、けど。
『名門とか超エリートとか関係無いですよ。私(わたくし)達みたいな一般人は問題児だろうがなんだろうが数字と成績が良ければ何しても文句は言われないので』
アイドルみたいな人気商売とは違います、とスプーンで生クリームを掬って口に運ぶ。
『でも…そうですね。Knightsを名乗ってるだけあって皆さん度胸ありますし格好良かったと思いますよ』