第19章 学生編・残暑のKnights(幕間)
一同「………」
『やっぱり全人類、己の身が一番可愛いですからね。そんな可愛い己の身が傷付けられるかも知れない、って時に悪人に立ちはだかるのは勇気も要りますし…』
皆さん凄いですね、と屈託の無い笑顔を見せられて急にメロディが思い浮かんで五線譜に音符を書き込む。
『………あ、月永さんは作曲家なんでしたっけ?』
「王さまの曲はとっても凄いんだよ」
「この様に自由ではありますが…」
『良いと思いますよ』
一同「!?」
『一度きりの人生ですし。やりたい事やるのが一番かと』
-がたっ-
「お前!姫!」
『はい?』
「何か格好良いな!大好きだ!」
『恐縮です?』
※※※
何やかんやで喫茶店に長居し、NoGenderのマネ&プロとそこそこ打ち解けて来た頃にはだいぶ陽も傾いて来てた。
「ところでアンタ…姫ちゃんだっけ。腕のギブス勝手に外して良かった訳ぇ?」
『もう治りかけだし。丁度邪魔になってたしいい運動にもなったし』
女の子が喧嘩とかどうかと思うけど、この子が来てくれて凄く助かったのも事実。あのままだったら正直、俺達はどうなってたかは分からない。
『え゙!もう!?早っ!流石チート!』
「いやいや、アンタ此処に居たら駄目でしょ仕事しなよ」
そう言って見ると不服そうに仕事に戻って行くみいちゃんに声をかける。
『アタシそろそろ帰るね』
『お迎え頼んでるし遅くなるけど送るよ?』
『いや~こんなハイカロリーなもの食べたから流石に運動しなきゃ』
しょぼんと言わんばかりの表情を浮かべると渋々承諾しブツブツと独り言を漏らしながら持ち場に戻る。
『じゃあアタシはこの辺で失礼するよ』
「もう陽が沈んでるし送るよ~?って単車なんだっけ?」
『今日は電車だけど遠いから大丈夫!有難う凛月君』
単車?この子単車なんて乗り回すの?学校は超エリートのくせに素行が悪過ぎる気がする。なんて考えてたら既に姿は無かった。
「リッツは随分親しそうだったな!」
「まぁね~。ちょっと助けてもらった事あるし」
「「「「???」」」」
→To Be Continued.