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引金の旋律【あんスタ】

第19章 学生編・残暑のKnights(幕間)


「うおっ…と。暴れんなって」

『やだ…!』



助けて…姫。助けて………け、い…



「お止めなさい!嫌がってるLadyに対して何をなさってるんですか!紳士として有るまじき行為です!」

一同「!?」

「も~!司くんったら無闇矢鱈に突っ込むんだから!」

「でもかさくんの言う通りだよ。チョ~面倒臭いけど、これ以上変な事したら警察呼ぶから」

『………』



姫でも無く…あの人でも無く…この人達はKnightsの…





※※※





一同「警察?」



ガラの悪い連中は皆で顔を見合わせると汚い笑い声を上げる。



「警察だって!いきがって割って入ったは良いもののイイコちゃんだねぇ」

「警察なんて言葉で俺達がビビるとでも思ってんのかねぇ?」

「舐められたもんじゃん」

「つーか、この制服!例のアイドル養成学校じゃね?」

「うわ、マジじゃん」

「こりゃイイカモだ!今日の俺達ツイてるぅ!」



ゾロゾロといつの間にか俺達の後ろにも野蛮な連中が居てジリジリとにじり寄られて、やがて人気の無い奥の方まで誘導される。この状況は最悪だ。相手は俺達の五倍の人数だし人質的なのは居る上に女の子の前で喧嘩なんて出来ない。そもそもアイドルに喧嘩はご法度。



『とうっ!』



-ベシャッ-



変な掛け声と共に影がさしたかと思うと人質の腕を掴んでる人の頭上に人が飛び降りて来て地面にめり込んだ…って訳じゃ無いけど、そこは表現上のご愛嬌。



『………姫』

「姫ちゃん」「…NoGenderのメイク担当!」

「「「えっ」」」





※※※





『もー!探したよ、みい』

『姫…どうして…』

『野暮ねぇ。大切な人のピンチに駆け付けるのがアタシじゃ無かったっけ?』



まるでおれ達の事、否、周りの事など目に入ってない。三角巾で左腕を固定する痛々しい姿でイキナリ現れたのはNoGenderのメイク担当…否、マネージャー。羽織っていたブレザーを脱いでNoGenderのプロデューサーの肩にかけると、おれ達に気付いて態とらしく声をかける。



『あら?Knightsの皆さんではありませんか。こんな人気の無い所で何をなさってるんです?』

「いえ…私達は…」
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