第19章 学生編・残暑のKnights(幕間)
珍しく今日はKnightsのmemberが揃って近くのstudioで雑誌の撮影があり、あの自由奔放な王ですら顔を出してくれたのはとても有難い事だと思う…思うのですが。
「もう疲れた~…動けない~…スーちゃんおんぶ~」
「わっ!?ちょ、凛月先輩!heavyです!」
「んもぅ凛月ちゃんったら仕方無いわねぇ…」
「リッツ!おれが運んでやろうか?」
「ちょっとれおくん甘やかさないで」
休日ですが現在は撮影を終えて学校に戻る途中。朝から動いてたからか凛月先輩は歩きたくないと駄々をこね、readerは道行く物物に興味を示し寄り道が多くなってsmoothに帰れず今や夕方。未だ繁華街を歩いてる途中。
『やっ…離っ…んー!』
一同「!」
少し離れたところで大勢の野蛮な男性と一人の女性が怪しげな裏路地に入って行く。
「あれ?あの子どっかで見た事あるんだけど…」
「何処だっけ?」
「え?何?知り合い?」
readerと凛月先輩が"うーん"と首を捻る。
「「あ、思い出した」」
「「「?」」」
「姫ちゃんにくっ付いてたちんちくりん」「NoGenderのプロデューサー」
"えっ?"とお二人が怪訝そうに顔を見合わせる。
「詳しい事はどうでも良いんだけど、あの雰囲気チョ~ヤバくない?」
「そうね…何か無理矢理感あったし…」
「ですが困ってる方を見過ごすのは騎士の名折れです!」
「あっ!ちょっと司くん!」
※※※
ガン、と壁に押さえ付けられた肩が痛む。
ただ普通にバイト行こうとしてただけなのに怖そうな人達に囲まれて裏路地に連れて行かれる。
「いや~こんな所にイイカモが居るなんてねぇ?」
「この制服知ってるよぉ~?隣町の学校だよね?」
「超やりマンくそビッチが多いって有名だよねぇ」
『………!!!やめて!』
ピラリと捲られるスカートの裾を必死で抑える。
どうしよう、何とかして逃げ出さないと。今日はバイト先のカフェに姫を呼んでるから早く準備しなきゃ。
「どうする?ここでヤっちゃう?」
「いや、移動した方が良くね?」
「ちょっと騒がれたら人集まるしホテル連れ込んだ方がいいだろ」
『!?』
待って。無理無理。ホテルなんかに連れ込まれたら逃げれない。