第2章 イライ・クラーク
カ『俺はカヴィン・アユソ。良ければ後で庭園を散歩しないかい?』
さりげない……さすがだよアユソさん。
調『千代さんって言うのね。よろしく。私はウィラ。ウィラ・ナイエルよ。』
ふわっと香水のいい香りが漂う。やっぱりウィラさん綺麗だな。
スカーレットの新婦の衣装がよく似合っている。
探『ノートン・キャンベル。ノートンって呼んで?』
そしてノートンくん。バチくそイケメン。リアルでこんなイケメンと面と向かって話したことの無い私は目を合わすことさえ恥ずかしく、顔を赤くして俯きがちに答える。
『よろしくお願いします』
それぞれと自己紹介していると弁護士が
『俺はフレディ・ライリーだ。どうでもいいがそこのお前。もし試合で一緒になったとしても足だけは引っ張るなよ。』
そう言ってフレディーはそのまま食堂をでていった。
フレディーに言われてふと考える。
私って試合出るのか?でも能力とか何もないしな……
弁護士に言われたことからそう考えて黙っていると、周りにいた他のサバイバーたちが傷ついていると思ったのか励ましてくれた。
調『気にしなくていいのよ。彼、誰に対してもあんなだから。』
カ『ああ、レデイには優しくするもんだろう。俺には理解できないな。こんなかわいいレデイに。』
医『そうだわ千代さん。この後、荘園の中を見て回らない?迷子にならないように大体の場所を覚えておくといいわ。』
『そうですね。エミリーさん案内おねがいできますか?』
探『あれ、でもエミリーさん。今日試合じゃなかった?』
医『そうだったわね。ごめんなさい千代さん誰か他の人……あ、そうだわイソップさん今日試合なかったわよね?千代さんのことお願いできるかしら?』
さっきまでの話をずっと黙って聞いていたイソップくんにみんな視線を向ける。
納『え、別に構いませんけど…… 千代さんは僕でいいんですか?』
願ってもない。逆にお願いします。だってイソップくんだよ?そんなん誰がNOなんて言えるんですか。
『もちろんです。お願いします。』
するとイソップくんはちょっと耳を赤らめた。
『分かりました。じゃあ食べ終わったら僕の部屋に来てください。』そう言って、先に1人そそくさと食堂を出ていった。
しばらくして私は食事を終え、食堂を出た。