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【更新停止】Other Only 短編集

第8章 天喰くんの屋根裏


リルルside





ふと物音がして、帰ってきたのかな?、って思うけどなかなか目が覚めなくて、また夢の中に落ちてしまう。

その時、ふわっと体が宙に浮いた。

優しい感触と好きな人の匂いがして、思わずぎゅっとしがみついた。

そして、ふわふわな場所に下されると私から離れる気配がして、すぐぎゅっと何かを掴んだ。



『…た、まきくん?』

「…っ⁉︎ 悪い、起こしたか…?」

『…おかえり、なさいっ…』

「…あぁ、ただいま…」



環くんから触れるだけのキスが降って来る。

でもだんだん深くなっていき、まだ頭が起きていない私には刺激が強すぎて、ぼーっとしてきた。



『…んっ、ふっ、はぁ//』

「…っはぁ、…ご、ごめんっ、…着替えてくる///」



我に帰ったような反応の環くんは、赤くなった顔を隠すように、寝室から出ていった。






天喰side





「あんなキスするはずじゃなかった…」



触れるだけのキスで済ませようと思ったのに、ふわっと笑うリルルに我慢出来ずに、つい夢中になってしまった。

リルルといると自分が自分でなくなる気がする。

いい意味と悪い意味と、今回のは悪い意味で、だ。



「…この熱はどうしたら、いいんだ…」



シャワーに打たれながらもう意識してしまった熱を流そうとするが、ますます熱くなるだけだった。

あとは寝るだけだが、さっきのこともあって寝室へと向かう足取りは重い。

ついてしまった寝室のドアを、ため息を出しながら開けると、すーすーと寝息が聞こえた。

側へ寄ると、ソファで寝ていた時と変わらず気持ちよさそうに寝ている。

反対側に回って、そっと布団に潜る。



「少し、触れるだけ…」



横になる前に、俺に背を向けて寝ているリルルの頭を撫でる。

頭を2、3回撫でて、そこから頬へ移動する。

すべすべで柔らかくてずっと触っていたくなる。



『……んっ』

「…っ⁉︎」



ふと吐息が漏れて、寝返りをうつリルル。

俺は、慌てて手を引っ込めた。

危ない、もう少しで起こしてしまうところだった。

また冷めた熱が再び身体に帯びてきた。



「ごめ…リルルっ」



俺は寝ているリルルにまた口付けをした。
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