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Other Only 短編集

第5章 上鳴くんのお部屋


〜2部屋目 普通科の私とヒーロー科の出会い〜
リルルside





午前中はあんなにいい天気だったのに、今はどんよりと今にも降ってきそうな曇り空。

私は急いで帰るべく学校を出た。











あと半分という所で、ぽつっとおでこに雨粒が落ちてきた。



ー やばい! 降ってくる!



一粒感じると雨は、とたんに降ってくると聞いたことがある。

運がいいことに、屋根のあるバス停に逃げ込むことができた。

すると、雨音がするくらいだんだんと強さを増して降ってきた。

しばらく止みそうにないなぁ、と空を眺めていたら、雨やっべー!って男の子が駆け込んできた。

確かA組の上鳴くん、だった気がする。

結構びしょびしょで、このままだと風邪ひいてしまう。

ハンカチを貸してあげたいけど、そんな勇気は持ち合わせていなかった。

ちらっと見ると、彼と目が合った。

雨も滴るとはこのことかなと思いながら胸が高鳴ってしまった。



「雨やばくね?」

『え、そ、そうですね?』

「あれ? 雄英生徒かなと思ったけど違った?」

『いえ、ちょっとびっくりしちゃって…』

「そっか、ヒーロー科じゃないよね?」

『は、はい、…あ、あのよかったら…』



私は、恐る恐るハンカチを差し出した。



「え!? いいの? 結構濡らしちゃうよ?」

『大丈夫です、使ってくださいっ』

「サンキュー!すっげー助かる!」



上鳴くんは、手や顔を拭きながらこう言った。



「俺、上鳴電気、これも何かの縁だから雨が止むまで俺と話そうぜ?」
2部屋目 普通科の私とヒーロー科の出会い END
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