第4章 轟くんの屋根裏
「……胸元、開きすぎじゃないのか?」
感想それだけ?って思ってしまったけど、まぁ焦凍くんらしい。
『し、仕方ないよ、恥ずかしいけどお仕事だから//』
「なら俺のパーカー、ギリギリまで着てろ」
『あ、うん、ありがとう//』
後ろからパーカーを肩にかけられ、胸元隠せてないけどなんて思いながら、そのまま撮影場所へと向かった。
*
撮影がすぐ始まり何事もなく順調に進んでいく。
途中で衣装チェンジがあって大胆にお腹を見せる水着に着替えた時はちょっとびっくりした。
そしてあっという間にお昼の休憩時間となった。
「リルル、飯行くぞ」
『うん、ちょっと待って』
スタッフさんと午後の打ち合わせを済ませると、焦凍くんの隣に行く。
『お待たせ、焦凍くん』
「なんかあったのか?」
『午後の撮影の確認だよ、まだお願いしたいって言われて』
「そうか…」
『…もしかして怒ってる?』
さっきよりも声のトーンが低くて、雰囲気も少しだけ変わった。
「ちょっと、いいか?」
『…え? う、ん? いいけどっ』
焦凍くんは手を引いて、スタッフ達から離れるように砂浜を歩いていく。
しばらく歩くともう誰も見えず、私達だけの状態になった。
『焦凍くん、どこ行くの…?』
「悪い…もう我慢できねぇ…」
『えっ…んぅっ!?///』
私は先に歩いてる焦凍くんに声をかけると、振り向きざまに腕をぐっと引かれて唇を塞がれた。
『んっ、ふぁっ///』
「…んっ、はぁっ」
急に口を塞がれて上手く呼吸が出来ない。
唇が離れた瞬間に、言葉を発することが出来た。
『…ふぁ、ぁっ、ま、って…///』
「…っはぁ、待たない…」
『んっ、ふぁっ///』
お願いも虚しく、また塞がれてしまう。