第4章 轟くんの屋根裏
「すみません、ショートさん、ショートさんの奥様にお願いがありまして…」
『…え、私に?』
「なんだ」
「実はショートさんと一緒に映るエキストラの方が倒れてしまって、奥様に代役を頼めないかと…」
『…えぇっ!?』
代役ってモデルさんの代役ってことだよね、いやいやスタイルとかいろいろ問題あるし、と一人でテンパっていた。
「お前は、やりたいか?」
『…えっ』
「俺が決めていい問題じゃねぇし、お前が嫌なら断る」
『…えっ、と…』
「もちろん、奥様の顔は撮影しないようにするのでご迷惑はかけません!お願いします!」
『…うーん…』
サイドキックの方に深々と頭を下げられる。
そこまでされたら、断れなくて私は了承してしまった。
『わ、わかりました…』
「ありがとうございます!ではスタッフに伝えてきます!後で衣装に着替えますのでお待ち下さい!」
サイドキックの方は再度お辞儀をしてスタッフの元へかけていった。
「本当に良かったのか?」
『あれだけ頼まれたら…仕方ないよ、それに顔は撮影しないって言ってたし!』
「俺は…断って欲しかった」
『そうなの?』
「顔は映さないとは言ってたが、お前の肌を全国に晒すことになっちまう」
『ふふ、それを言うなら焦凍くんの身体も全国に晒すことになるんだから、おあいこでしょ?』
「……そうか」
納得してない感じだったけど、女性スタッフさんから呼ばれてしまったためそのまま、着替える為にワゴン車へ向かった。
スタッフさんにいろいろ説明を受けながら、水着に着替えた。
ワンピースタイプのものでそんなに肌の露出が多くないから少し安心した。
だけど、背中と胸元はがっつり空いているから凄い恥ずかしい。
着替え終わると、日焼け止めやら、オイルなどいろいろ塗られて、念のために顔に軽いメイクも施してもらった。
どんな反応するか、ドキドキしながらワゴン車から出ると焦凍くんが待っていてくれた。
『…え、えと、どうかな?//』
上から下まで食い入るように見つめられた後、発せられた言葉。