第4章 轟くんの屋根裏
〜3部屋目 プライベートビーチで〜
リルルside
今日は焦凍くんの雑誌撮影の為、轟家が所有しているプライベートビーチに来ていた。
サイドキックの方から、何でも水着特集を組むらしくで是非一面をプロヒーローのショートで飾りたいと依頼があったみたい。
でも焦凍くんはあんまり乗り気じゃなくて、サイドキックの方も説得するのに大変だったと言っていた。
そして私も付き添うという条件で受け入れたらしい。
私は、普通の一般人だから同行してもいいのか迷ったけど、焦凍くんに、お前がいないならやらない、なんて言われたら行くしかなかった。
『すごいスタッフさんの数だね』
「こんなものの為にヒーローやってんじゃねぇんだけど」
『ふふ、仕方ないよ、ほら頑張って!焦凍くん』
「…わかった」
「ショートさん!お願いします!」
スタンバイが整ったようで、焦凍くんはスタッフさんに呼ばれた方へ向かっていった。
私は邪魔にならない程度に遠くから撮影の様子を見ていた。
めったにプロヒーローの活動なんて見ること、というか普段の活動は絶対見れないから、こういうのは新鮮だ。
パーカーを脱いで、水着姿になっていろんなポージングを決めている焦凍くん。
本当にかっこよくて夏の暑さとは違う熱さが頬に集まってくるのがわかる。
顔もスタイルも良いからその辺のモデルにも引けを取らないと思う。
こんなこと本人に言うと怒られるから言わないけど。
すると撮影が終わったのか、焦凍くんがこっちに歩いてくるのが見えた。
『お疲れ様、焦凍くん』
「…あぁ、立ってるだけだったがこれでいいのか」
『ふふ、それが撮影だからね』
「…お前は大丈夫か? 暑くないか?」
『う、うん、大丈夫だよ?///』
撮影のままの格好だから、上半身裸の状態で、まだ耐性がついていない私は直視出来なかった。
そんなこと知らない焦凍くんはぐいぐいを距離を詰めてくる。
「…? 顔赤くないか?」
『えっ、そ、そんなこと、ないよっ?///』
「…そうか? さっきから俺と目が合わないのも気のせいか?」
『うっ、えっとそのっ///』
かっこよくて直視出来ません!なんて言えないから、どう返事しようかと困っていると、焦凍くんのサイドキックの方がこちらへ走ってきた。