第3章 轟くんのお部屋
〜3部屋目 普通科の私とヒーロー科の出会い〜
今日は、久しぶりに一人で食事をしようと、食堂に向かった。
ー 相変わらず混んでるなぁ
席あるかなぁ、なんて思いながら探し回ってると、ひっそりとした場所に2人がけの席を見つけた。
ー よかったぁ、ここならのんびりできる!
そんなことを思いながら弁当を広げて、食べる準備をしていた。
「ここ、いいか?」
突然、声がして見上げると、A組の轟くんだった。
プロヒーローエンデヴァーの息子で、イケメンだっていう噂は私も当然知っている。
思わず私も見入ってしまった。
「…いいのか?」
『え、は、はいっ、ど、どうぞ』
ー うわっ、めっちゃ怪しまれたよね今のっ
ちらっと盗み見ると、轟くんは特に気にすることなく席に着いてお蕎麦を食べ始めた。
「食堂にいるのに、お弁当なのか?」
『えっ、う、うん、節約してるから』
「そっか、凄いな」
そういうと、彼はまた蕎麦を食べ始める。
自由な人だなぁと思いながら私もお弁当をつつく。
「…どうかしたか?」
『えっ⁉︎ な、何でもないですっ///』
いつの間にか、轟くんを見つめていたみたいで、慌ててお弁当を食べる。
ー は、早く食べないと心臓もたないよっ…
「もしかして…
蕎麦食べたいのか? 悪いがもう残り少ない。
また明日、お前を探すから、それで許してくれないか」
3部屋目 普通科の私とヒーロー科の出会い END