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【更新停止】Other Only 短編集

第1章 切島くんのお部屋







「どうした⁉︎ 大丈夫か⁉︎ 怪我はないか?」

「う、うん、大丈夫っ…だけど…」



そう言うとまた泣き出す男の子。



「もう、泣くな男だろ! 俺たちで探してやるから!」

「う、うん! ありがとうっ!」



男の子は、いつの間にか両親とはぐれてしまったらしい。

両親の特徴を聴きながら周辺を探すことにした。

鋭児郎くんは、よし!と気合を入れると男の子を肩車した。



「おにいちゃん、すごーい!」

「これなら、すぐ見つかるだろっ?」

「うん!」



すっかり泣き止んだようで安心した。

鋭児郎くんと男の子が話しているのを見ると、子供ができたらこうなるのかなぁとか、妄想してたら顔が赤くなるのを感じた。



「どうしたんだ? リルル?」

『へっ?// な、なんでもないっ』



そんな時、突然男の子が鋭児郎くんに質問した。



「おにいちゃんって、おねえちゃんが好きなの??」

「『へっ!?』」



鋭児郎くんも、私もつい変な声を出した。

子供は唐突にすごい質問をしてくる。

ちらっと鋭児郎くんを見ると顔が赤くなっていた。

鋭児郎くんは私のことどう思っているのか少し気になる。



「あ、おかあさん!」



男の子が両親を見つけた。

鋭児郎くんは無事に見つかってほっとしたみたいけど、私はそれどころじゃなかった。

どうしよう、聞いてみてもいいかな。



「あのさ、リルル」

『…っ// どうしたの?』



いつになく真剣な鋭児郎くんに、私は身構えた。



「俺、いつか言うからっ// それまで待っててくれ!」



ーそれって、もう告白だよっ、鋭児郎くん。



私は頷いて、鋭児郎くんの手を握った。





1部屋目 迷子 END
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