第1章 切島くんのお部屋
〜13部屋目 監禁〜
リルルside
どうしてこんなことになっちゃったの…。
私は、床から感じる冷たさで目が覚めた。
ーこ、ここは…
見知らぬ場所にいた。
真っ暗で窓もない部屋。
普通じゃないところがあるとすれば目の前に金属製の柵があるくらいだ。
まるで牢屋のよう。
「どうしてこんなところに…」
それは遡ること数時間前のことだった。
✳︎
「リルル!」
『切島くん?』
声をかけてきたのは、幼なじみの切島くんだった。
遠くからでもわかる赤髪で、いつも前向きでヒーローを目指してる彼。
『どうしたの?』
「いや、特に用はねぇんだけど、姿が見えたから//」
『そうなんだっ』
「一緒に帰ろうぜ!」
『うんっ』
姿をみると、声をかけてきて私を誘ってくれる。
昨日は、一緒に登校。
お昼は一緒に学食、放課後はこうして一緒に下校。
これで付き合ってないの!?ってよく友達に言われていた。
でも一度だけ、誘いを断ってしまった時があったー。