第1章 切島くんのお部屋
〜8部屋目 意外な弱点〜
リルルside
放課後、私と鋭児郎くんはクラスが違うから、一緒に帰る時はどちらかが相手を待たせてしまう。
今日は、私が遅くなってしまって鋭児郎くんを待たせてしまっていた。
ーもう、30分も待たせてる早く行かないと。
玄関口に到着すると、鋭児郎くんはちょうどこちらに背を向けていた。
私が来たことがわからないのか、振り向こうとしない。
悪いかなぁ、と思いながらもちょっといたずらして背中をつーっとなぞってみた。
「うおぅッ!?なんだ!?」
びくっと背中をのけぞらせる鋭児郎くん。
何箇所が個性発動してる気がするけど。
『…あれ? 意外と背中弱いの?』
「なんだぁ、リルルだったのかぁ」
『ごめん、ごめんっ笑』
「まぁ、別にいいけどよっ」
『遅くなってごめんね、帰ろ?』
「おう!」
ーいつか、絶対仕返ししてやるからな!
8部屋目 意外な弱点 END