第4章 邪魔者

いや……すこぶる後悔していた。

(だって、隣にいるのは、猪みたいで…
バカ犬みたいで…

せめて人間にしとけばよかった。
じゃないと、楽しくないかなぁ…って)

って、心がすさむと
ここまで自分が、えげつない人間に
なるもんなのか？

が、まぁ…武井もなかなか困ったもので
智にバカにされるだけのことはある。


だって…いきなり動物園に行きたいと言い出して
レッサーパンダを見て……

蓮池公園の池のボートに乗って
さらに近場のゲームセンターに至る

中学生並みのデートコースを
どう見てもマジで楽しんでいるように
巡ったあげく…

智をUFOキャッチーに
挑戦させるなんてマネまでしてのけたのだ。

これは、智も初めての挑戦でちょっと
面白がってしまった。

最近はおしゃれな大人の遊びに慣れていたから
こんな経験はそうそうできない。

声と身体がデカイのだけが取り柄の動物も
気を紛らわす役にくらいは立つのだと
認識を新たにしたのだ。

(犬とかウサギとかは、人間を癒す
波動みたいなのを
発してるとかって言うもんね～。)

と、とことん人以外の扱いにしてしまう。

そんなわけで、最後に寄った居酒屋で
少々の酔いも手伝ってか…

「また、誘ってもいいですか？
今度は映画でも行きましょうよ。

俺、アクション物大好きなんですよ。」

と、しつこく言い寄ってくる武井に、
ついつい頷いてしまったのだ。


まぁ…いっかぁ～どうせヒマだし……
夏休みは長すぎる。

そして、翔でないのであれば
誰が相手でも同じだから………。