• テキストサイズ

もう迷わない辿り着けるまで〔気象系BL〕

第4章 邪魔者



翔と別れてから1時間、
智はようやく腰を落ち着けたのは、

城の跡地に隣接する公園のベンチだった。

「旨いっ!!! この団子最高です。」

隣に座った武井壮は、智が買ってきた吉備団子を
バクバクと食いながら、
満面の笑みを浮かべていた。

智が携帯で呼び出したのはこの男だった。

天にも昇る気持ちだったのだろう
30分もしない間に現れて、
どこへでもお供しますと、
まずはデパ地下に寄って食べ物を買ったのだ。

どうやらちっとも冗談は通じないらしい……。
「それにしても、大野先生よく俺の携帯の番号
知ってましたね?

やっぱり俺の事気にしていてくれたんですね。」

と、よけいな勘違いまでしている。

「別に、お前だけ特別ってわけじゃないよ。
もしものために、学校中の教師の電話番号は
登録してあるだけなんだ。」

「…へぇっ!そんなに?」

「だって、考えてみなよ。

もしも偶然、生徒達が事件に巻き込まれている
現場にでも居合わせたりしたらどうする?

少なくとも、教頭か担当の学年主任、
もしくは担任を呼び出さないと
いけないだろう…」

「そうですね。やっぱり大野先生って、
生徒のこと考ているんですね!」

「お前って…すごいなぁ…」
智は、呆れたように言い放った。

この俺が、生徒の為だけにそこまで
考えているわけがない。

だだ、厄介ごとに巻き込まれた時に
自分だけに責任が被るのがイヤなだけで
他の教師がいれば、どうにか対応
できるかもしれない。

だから、全員の番号を登録していたに
すぎないのだ。

だったら、今呼び出すのも他の教師に
すればよかったかなぁ~…
と、智はちょっと後悔していた。






/ 238ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp